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西蒲原郡弥彦村のカフェ「alegre」。里山の風景に杉板の外壁が馴染む。SIA inc.では杉板が経年により優しく色が変わっていくことを「経年優化」と呼んでいる。

100年前の住宅に学び 100年後のスタンダードをつくる

「大事にしているのは思想を建築すること」と話すのは、石田伸一建築事務所（SIA inc.）の代表･石田伸一さん。SIA inc.のほかに、十日町市で製材所･UC Factoryの代表も務めています。
　活動の核に据えているのは「１００年前の住宅に学び１００年後のスタンダードをつくる」という思想。自らを「林業建築家」と称して、林業から建築までを一貫して行う「建築の６次産業化」を行なっています。
「UC Factoryを始めたきっかけは、お世話になっている製材所が廃業を考えていると聞いたことでした。川の流れに例えるなら林業は川上、製材業は川中、建築･設計は川下です。川中が無くなったら水は流れません。その地域の建築を考えたらどれも無くせないと思いました」（石田さん）。
　担い手を探しましたが、誰も手を挙げなかったそう。「なら自分でやるしかない」と決心したのだとか。「設計事務所が製材所を始めるなんて！と反対されました。実際に前代未聞だったようです。でも、しっかり思想を持ってぶれずにやれば道はひらけると思っています」（石田さん）。
　１００年前の住宅に学び１００年後のスタンダードをつくる――。
「これからも、ずっと大切にしていきたい思想です」（石田さん）。

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塁間の家。うなぎの寝床に建っているこの家は、その長さを利用し3つの庭がある平屋。　

「野きろの杜」に立つ、複合商業施設Mall Site 野きろ。弥彦山と角田山の山並みのようにしたファサードと雁行したデザインで、より魚沼杉の外壁を強調している。　

「中土間の家」は、五頭連峰を望むように作られたLDKと庭を望む中土間のある家。

グッドデザイン賞2023を受賞した「現代土間の家」。古民家の考え方を現代の家に取り入れた、まさに現代土間のある家。

山から木を切り出して、製材し設計し、ものづくりをする。 UC Factoryには2名の伐採士がいる。

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奥行のある土地を生かした 四季を楽しむ庭のある住まい

所在地：新潟市