景観に溶け込み風景を取り込んだ家
所在地/聖籠町 家族構成/夫婦+子ども1人 竣工/2008年10月 構造/木造軸組工法 延床面積 86.95m²(26.34坪)²1階 86.95m²(26.34坪)
LDKは、敷地裏の竹林が最も美しく見える位置に構えた。北欧やアメリカの名作家具に彩られた空間は、あえて照明を控えめにして、窓外の借景を際立たせた。
竹林に抱かれた神社に、寄り添うように佇む杉壁の平屋。聖籠町のI邸は、竣工を迎えたばかりの新築ながら、まるでずっと以前からそこにあったかのように、周囲の景色に溶け込んでいます。変形土地に張り付くような「く」の字型の間取りは、裏手の竹林を借景として室内に取り込むため。玄関正面のピクチャーウインドーとリビングの大きな窓には、青々とした竹が、鮮やかな絵画のように浮かび上がります。
家づくりを始めるにあたって土地探しをしていたご夫婦が「一目見て気に入った」というロケーション。家の設計に臨んで、建築家には「周囲の景観を壊さないこと」と「竹林の景色を室内に取り込むこと」を、何よりも優先してくれるように依頼しました。そうして完成したプランは、ご夫婦が望んだ通り、敷地条件を最大限に生かした斬新なもの。昔はどこにでもあった古き良き日本の情景を守りつつ、現代ではなかなか成し得ない独創的な家が生まれました。
デンマークの家具デザイナー、ウェグナーのビンテージソファがよく似合うLDK。キッチンは存在感を極力消すよう、目隠しで覆われ、冷蔵庫も収納内部に格納。
すぐ隣は神社の境内という立地。裏手の林が道路からも見えるよう、そして何より高い建物のない周囲の景観を壊さぬよう、平屋建てのプランに。
敷地の裏手に向かって設けた、縁側と濡れ縁。当初のプランでは、居室が竹林側にあったが、縁側から竹林の景色を楽しむため、この向きに。
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