自然と隣り合う暮らし。大窓に山の四季を映す家
家族構成/本人+母 竣工/2010年11月 構造/木造軸組工法 延床面積96.94m²(29.32坪) 1階67.13m²(20.31坪) 2階29.81m²(9.02坪) 本体工事費:1,760万円/坪単価60万円
ポイント
民家のない山側に向けて大きく開口したLDK。窓の向こうに広がる景色は、春夏秋冬で目まぐるしく変わる。山に向けて置いたソファは、お母様もお気に入りの場所。
鮮やかなオレンジ色の外壁をまとうS邸。大きな木製の玄関扉を開くと視界に飛び込んでくるのは、壁や建具をキャンバス代わりに描かれた、グラフィティアート。
長らく東京のマンションで暮らしていたIさん。退職を機に新潟に移り住み、お母様と暮らす住まいを構えました。
富士山のふもと、静岡県は御殿場市で幼少期を過ごしたIさんが選んだ土地は、その先に民家のない、山裾の一角でした。山に向かって大きな掃き出し窓を設けたLDKは、山の四季を借景として取り込む心地よい空間。「景色はもちろん、ウグイスの鳴き声を聞いたり、庭先にキジの親子を見たり、雪の降った翌朝にウサギの足跡を見つけたり、そんな暮らしの豊かさに喜びを感じています」(Iさん)。 近年ではテレビに向けられることの多いソファも、I邸では窓に向けて配置。日々変化のある景色を楽しめる、I邸の特等席です。
「特に好きなのが春の新緑。雑木林がさまざまな色の緑で覆われて、とってもきれいなんですよ」。そう言って目を細めるIさん。遠く窓の向こうに見えているのは、自身が生まれ育った御殿場の原風景かもしれません。
平屋と2階建て、2つの建物を組み合わせたようなI邸。通りからの視線に配慮しつつ、山側(写真左側)に向けては大胆に開口した。
大きなデスクを造り付けた2階の個室は、東京で働く息子さんが来たときのための部屋。いすに腰掛ければ、眼前に山の景色が広がる。
大開口の中心に、手斧(ちょうな)で削ったサクラの柱を配するなど、なるべく人工的なサッシを隠す工夫が施されている。
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